サムシング・ニューという道標

ジャニーズWEST最新曲、「サムシング・ニュー」を聞いたとき、「私の歌だ」と思った。

 

私は「すき」を拠り所にして「すき」に救われて生きている。アイドル、大振りのピアス、たまに友達とする贅沢な食事、東京行きの始発の新幹線、挙げればきりがないくらい大小様々な「すき」を私は抱えている。それらは私の人生全てをまるっと無条件で幸せにしてくれるわけではないけれど、何もかも放り出したい投げやりな衝動を優しく包んでくれたり、零れ落ちそうな涙をギリギリで引っ込めてくれたりする。だから、働く意味がわからないと喚く夜があっても翌朝8時にはタイムカードを押しているし、もうどうにでもなれと思う日と、私の人生なかなか良いじゃんと思う日を交互に繰り返して日々の生活を続けているのだ。

 

「すき」は私を強くしてくれる。

 

 

サムシング・ニューは私が大切にしているたくさんの「すき」とそれらと共に生きている私を全面的に肯定してくれた。

ジャニーズという最高峰のアイドルグループの不動のセンターとして君臨する重岡くんが愛くるしいキラキラスマイルと力強い声色で「僕らは最強なんだぜ」と歌い始めるこの最新曲。説得力しかない。その後続く「愛も闇も仕事も君も全部 この背中で戦ってみせるよ」という歌詞も、苦汁をなめて奥歯噛みしめてやってきたのだろうと思わせる逞しさと猛々しさがあるジャニーズWESTが歌うこのフレーズに、私ももう少し、と思わされる。戦う人の歌を戦わずに笑うやつには負けたくない。

2番で最年少小瀧くんが「渡すものか!僕の好きな人」と歌うのも良い。私も私のすきなものを勝手に奪われたくないし土足で踏み荒らされたりしたくない。自分のすきなものは自分だけのものだ。

 

Mステでシンプルなブラックスーツに色とりどりの花束で歌う彼らはウェディングソングのテーマにふさわしく花婿のようでときめいたし、CDTVでカジュアルな衣装を身に纏って爽やかに歌い上げる彼らはGW中日の月曜の夜を盛り上げてくれた。でも一番は、通常盤購入特典として見ることができたLiveRecording映像だ。彼ら自身に魅了されて、彼らが歌うこの曲に魅了されて、お金を出した人にしか見られないあの映像で、7人横並びで熱量高く自分たちを自分たち自身で「僕らは最強なんだぜ」と心の底から疑っていないように歌う姿が眩しくて最高で最強だった。私もそうありたいと強く思った。

 

 

私を支える「すき」の代表格であるジャニーズアイドルが、私を肯定してくれると感じられるような歌を歌ってくれる。

基本的にアイドルはこちらには何の関心もなくて私とアイドルの目線は絶対に交わらないからこそ、最大出力で愛情を注ぐことができる。そうやって一方的に恋い焦がれるだけなのだが、ごくたまにガチリと視線が合わさり同じ世界線で生きている感覚になる時がある。そんな時の幸福度は筆舌しがたいもので、今回のサムシングニュー・ニューとの出会いがまさにそれだった。これだからアイドル好きはやめられない。

 

 

「すき」は私を強くしてくれる。「すき」を頼りに今日という日を乗り越えて行くし、「すき」は私を守り私の人生を最後まで援護してくれる。「すき」があるから戦える。

 

心にたくさんの「すき」を置いている私は、きっと、最強なんだぜ。